マッシュのオモハラおしゃれ散歩
2014.08.28

D[diː]さん、2年ぶりの新作個展
「Harmony / my melody , your melody」開催中!

作家、イラストレーター、アーティストと、多彩な才能を発揮しているD[diː](ディー)さんが、個展「Harmony / my melody , your melody (ハーモニー / 私とあなたのための旋律)を開催中です。

会場は骨董通りにあるhpgrp GALLERY TOKYO(小原流会館B1F)。話題の人物による、2年ぶりの個展となれば、これは気になりマッシュ! ということで、さっそく取材に出かけてきました。

D[diː]さんについて

D[diː]
D[diː]さん

2000年、多摩美術大学在学中に発表した『ファンタスティック・サイレント』を宮崎駿監督のお墨付きで出版、デビュー。二作目、『キぐるみ』発表で 「ノベルコミック」という文学スタイルを生み出し読者に衝撃を与え、その後も鋭い観察眼と叙情的な文章や、シニカルかつスイートな世界感の作品を精力的に創作。緻密なタッチのタブローを制作するかたわら、小説、漫画、イラスト、ファッション、デザインなど多分野をまたに活動する稀有な存在として、各界の著名人にも支持者が多い。
http://deeth.net/



独自の視点と技法が新鮮です

D[diː]
会場風景。中央の4本の柱の上にもそれぞれ作品が展示されています。

D[diː]さんの作品に象徴的に登場するのは、動物や植物です。
中でも今回の新作では植物がクローズアップされています。さらに、植物にさまざまな要素がミックスされているのが印象的。今回のテーマであるハーモニーとは調和のこと。けれど、D[diː]さんは、必ずしも一つの価値観だけではなく、相反するものも含め、様々な要素によって調和が奏でられているのかどうかを意識しているそうです。

今回展示されている作品には、ハーモニックペイントと呼ばれる独自に考案した技法が用いられています。蜜蝋や石膏粉、作家が自ら砕いたガラス、金箔。これらの素材を、複雑に重ねることで、特殊なイメージをビジュアル化。これにより、疑似的な時間経過と懐古をコーディネイトし、多次元的に作品を表現しています。さらに、それぞれの素材にも、意味があるとD[diː]さんは言います。
「2次元に時間を閉じ込めたいと思っています。大昔の昆虫や植物を閉じ込めた琥珀は時間の凝縮です。その琥珀をイメージして作品に蜜蝋を塗っているのです。また日に焼けたような色合いは石膏で表現。ガラスの粉は、モチーフが動いていた当時の記憶やきらめきなのです」。

この独特の質感と雰囲気は、ぜひとも実物で確かめていただきたいところです。

D[diː]
館内奥に掲げられた軍艦をモチーフに描いた作品

D[diː]
こちらは旧約聖書に書かれたバベルの塔がモチーフ。

D[diː]さんに作品について聞いてみました

作品のモチーフは、軍艦、バベルの塔、ホイール、工具などさまざま。たとえば、軍艦など、かつては人を威圧していたようなものが、打ち捨てられて風化し、ウイルスを思わせる植物に覆い尽くされる。この植物は、時間の経過とともに浄化を意味しているのでしょうか?

 

D[diː]さん:そうですね。浄化ともいえるでしょう。これは周囲を威圧していたものが花に吸い取られ、漂白されたような状態です。私は昔から植物への憧れが強くて、家庭菜園やお花畑などにも興味があります。でも、私では、きっとうまく育てられなくて枯らしてしまう。だから、作品で植物を作るしかないのです。

軍艦と植物。この真逆のイメージのものにも、ハーモニー(調和)が生まれているのが心に残ります。

D[diː]
D[diː]さんの考える、ハーモニーを図形で表現した作品。

この作品を例に、D[diː]さんがハーモニーを説明してくださいました。

D[diː]さん:こちらがハーモニーの図形です。一つの社会の中には、いろいろな諍いごとがあります。その諍いが中央の三角です。でも、それも、実はその外の丸や、四角でくくられているなかにあるもの。このなかにあれば、ハーモニーは存在して社会は回っていくのです。デカルト(フランスの哲学者、数学者)の本に、俯瞰でものを見ることの重要さが語られていました。小さな悩みがあっても、いろいろなことが起こっても、それらが一つの世界の中で調和が取れていればいいと思います。

また、作品はいずれもグリーンとイエロー、ブルーの統一された色調で描かれています。こちらの意味も伺ってみました。

D[diː]さん:自分の着る洋服は蛍光色やビビッドカラーだったりするのですけどね。以前、パルコのエレベーターのインテリアを手掛けたことがあります。そのときに、選んだのがこの色調でした。そうしたら、エレベーターに乗った方が「なんだか涼しいね」と言ってくださったのです。この色はヒーリング効果をすごく強く持っていることに気付きました。色によって気の流れが変わるというのでしょうか。気分を浄化できるようです。私の作品から、ヒーリング効果を感じていただけたらうれしいですね。

第二展示室には驚きの仕掛けが!

会場奥の第二展示室には、スペシャルコラボレーションが展開されています。暗室となったこの室内では、映像作家・アーティストの山口崇司さんとのコラボレートによる、驚きの映像のインスタレーションが! 室内を歩くと、そのそばに植物が次々と現れるユニークな映像作品です。こちらもお見逃しなく。

D[diː]
植物が湧き上がる不思議な映像が見る人を虜にします。ぜひ、室内を心行くまで歩いてみてください。

ファッションアイテムや雑貨で作品に触れられます

今回の個展では展示されている作品を購入することができます。でも、そのほかにも、D[diː]さんの作品を身近に感じられるプロダクトがあるのでご紹介しましょう。

一つめはTHE TEXTILE AND GENE BY D[diː](ザ テキスタイル アンド ジーン バイディー)というブランド。こちらは今年の秋からスタートするブランドで、バッグやポーチなどが中心となります。個性的な動物の柄に、周囲の視線が釘づけになりそうです。

二つめは今冬から立ち上がるアパレルを中心にした新ブランド、ASKING FOR THE MOON(アスキング フォー ザ ムーン)。ASKING FOR THE MOONとは、ないものねだりを意味していて、これは、D[diː]さんの作品制作の根底にあるものの一つです。そのアート活動の一環として、登場するのがこのブランド。コレクションはユニセックスで着られるTシャツやスウェット素材のトレーナー、パンツ、シューズ、トートバッグなどから構成されます。

D[diː]
THE TEXTILE AND GENE BY D[diː]のアイテム。写真のレオパード柄のアイテムは現在サザビーで展開中。トートバッグ¥8,800、ポーチ¥5,800(ともに税別)。
※Harmony個展会場では販売されていません。

D[diː]
THE TEXTILE AND GENE BY D[diː]のアイテム。こちらは11月中旬からオンラインストアを中心に展開予定。猫柄のエコトートバッグ¥9,800、猫柄のクッション¥8,800、鹿柄のポーチ<スモール>¥4,900、<ロング>¥5,200(すべて税別)。
※Harmony個展会場では販売されていません。

D[diː]
今冬登場の新ブランド、ASKING FOR THE MOON。イメージビジュアルには、D[diː]さんも登場しています。11月末からセレクトショップ、オンラインストアで一部展開予定。左/スウェットシャツ¥23,000、ショートパンツ¥15,000、ハット¥9,800、シューズ¥17,000(すべて税別)。右/スウェットシャツ¥20,000、シューズ¥25,000(すべて税別)。
※Harmony個展会場では販売されていません。

悩みを抱えている人や、疲れた気持ちで毎日を過ごしている人。新しい刺激に出会いたい人。いろんな人たちの気持ちをリフレッシュしてくれる、この個展。表参道まで足を運ぶ価値はありますよ。

Harmony / my melody , your melody
D[diː]「ハーモニー/私とあなたのための旋律」展
会場 hpgrp GALLERY TOKYO
会期 2014年8月21日(THU)〜9月7日(SUN)
営業時間 12:00 〜 20:00
定休日 月曜日・毎月最終日曜日
住所 107-0062 東京都港区南青山5-7-17 小原流会館 B1F
アクセス 東京メトロ表参道駅B3出口 徒歩3分
TEL 03-3797-1507
HP:https://hpgrpgallery.com/


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